何も無い町?ヴィエンチャン

エアロビクス  早起きにも随分慣れたもので、6時くらいでも余裕で起きることが出来る。(単に日本との時間差2時間を調整できていないとも言えるが・・・)
 飛行機の移動は早朝便が多いので、早起きグセをつけておくことに越したことは無い。

 ラオス女性の間ではエアロビクスが流行っているようだ。  メコン川の河川敷には屋根付きのステージがあり、大音量で音楽を流しながら多くの女性がエアロビクスに取り組んでいる。  複数のインストラクターが壇上で踊っている点を除けば、我がコスパ のエアロビクスと大差はない。  

PVOの店頭 フランスパンサンドイッチ  朝食と観光を兼ねて、午前中の市内散歩に出かける。
 ナンプーの北側のサムセンタイ通りを東に進むと、ひときわテイクアウトで賑わっている店が。  ベトナム料理店のPVOという店である。
 狙いはもちろん、フランスパンのサンドイッチ。 練乳入りのベトナムコーヒーとともに美味しくいただく。

マンゴーシェイク タート・ダム  さらに東に進むとフルーツシェイクの店が2軒並んでいる。 ここのマンゴーシェイクも絶品だ。
 やはり、ラオスのマンゴーシェイクはどこの店でも外れが無いようだ。

 謎のバゴダ、タート・ダムを右手に見ながら、さらに東に進むと、ヴィエンチャンを北東から南西に貫く目抜き通りである、ランサン通りに辿りつく。

 ランサン通りは片側3車線の、小都市ヴィエンチャンにとっては、かなりオーバースペックな大通りである。  南西側突き当たりには大統領官邸があり、何となくホーチミンのグエンフエ通りに似ている気がする。
 やはり元フランス領の街作りということなのか・・・

フードコート 金売りの美女  ランサン通りの向こう側には、ヴィエンチャン最大の市場であるタラート・サオがある。
 ルアンパバーンのタラート・プーシーと同じく、三角屋根が特徴的である。

 見た目は似ていても、こちらは流石に規模が大きく2階建てである。  1階は布地、食品、電化製品の店など、2階は衣料や金製品の店が並んでいる。  金が好きなのは東南アジア人に共通しているようだ。

ぶっかけご飯 フードコート  1階の奥にフードコートのような一角を発見した。 こみ上げてくる食欲には勝てず、本日2度目の朝食を取ることに。
 ご飯におかずをぶっかけたものをチョイス。 味付けは和食に近くて美味しい。

 市場のテナントとして、何故だか国営デパートが入居している。 デパートとは言っても、場末のスーパーのような品揃えで、 閑古鳥が鳴いているが・・・

バスターミナル ノーンカイ行きバスの時刻表  タラート・サオの裏側には大きなバスターミナルがある。 ラオス各地へのバスはここから発着し、 もちろんルアンパバーン行きのバスもここから出発するのである。
 タイ側のノーンカイへの直通バスを発見した。 わずか8000キップ(80セント)である。  ということは、逆区間のノーンカイからヴィエンチャンまでの直通バスも存在するはずだ。
 往路で15ドルもの大金を散財してしまったことが、今更ながら悔やまれる・・・

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パトゥー・サイ パトゥー・サイからヴィエンチャン市内を望む  ランサン通りを北東に進めば、簡単にヴィエンチャンの2大ランドマーク巡りができる。
 そのランドマークの1つ、パトゥー・サイ(凱旋門)は、パリの凱旋門を模して造られたらしい。 残念ながらオリジナルの凱旋門を 見たことがないので、類似性は判定できないが・・・

 コンクリート造りの無機的な門で、特筆すべきものは無いのだが、 高い建物が無いヴィエンチャンでは、市内を一望できる所はこの門の上しかない。(入場料5000キップ)

タート・ルアン 回廊にある仏像の頭  ランサン通りをさらに北東に進むと、黄金に輝くバゴダ、タート・ルアンが現れる。
 「コンクリートに金色のペンキを塗りました」感のある、この手の建物には、日本人としてはあまり有難みを感じないのだが・・・  それでも、ラオス政府にとっては貴重な観光資源なのだ。

 確かに、箱物の観光名所を見なければ気が済まないタイプの観光客にとっては、 「何も無い町、ヴィエンチャン」という表現になるのは致し方ないことだ。

タート・ルアン周辺で見つけた母子  もちろん「箱物観光」は個人の趣向に基づく旅のスタイルであるので、彼らの観点を否定する気はさらさらない。
 むしろ、一部の「旅慣れた」旅行者に、年配の方々の団体ツアーを嘲笑する傾向がある事に、違和感を感じる。

要は、旅の優劣の問題ではなくて、向き不向きの問題なのだ。

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 チェックアウトの12時ぎりぎりにオーキッドゲストハウスに帰着した。  13ドルはコストパフォーマンス悪しなので、宿を変えることにする。  宿主は強欲そうな風貌だが、チェックアウト手続きは意外にもあっさりとしている。

パトゥーポーンゲストハウス パトゥーポーンゲストハウスの受付嬢  メコン川沿いから一本北側に入った、小さな路地の奥にパトゥポーン(Pathoumphone)というゲストハウスを発見。  大きなベッドにホットシャワーとファン付きで6ドルと、なかなかの掘り出し物だ。 部屋もゆったりとしている。

 特に受付の女性の愛想が良い。 このゲストハウスは隣にマッサージ店を併設しているのだが、 ラオス南部の町パクセー出身の彼女は、ゲストハウスの店員というよりも、マッサージ店のマッサージ師なのだという。
 このマッサージ店はラオス式ではなく、タイ古式マッサージが売りで、バンコクのワットポー出身の師匠から直伝された技を持っているとのこと。  「今晩あなたをマッサージしてあげるわ。」 彼女の申し出に笑顔で頷いて、午後の散策に出掛けた。

国立劇場 国立博物館  主要観光資源は午前中に制覇してしまった感があるので、午後は小物が中心となる。
 市内の中心部にそびえ立つひときわ立派な建物は国立劇場である。  国立劇場の向かえには、レトロな国立博物館(入館料1ドル)がある。  社会主義国らしく、近代〜現代の現政権の歴史を重点的に展示しており、古代史の展示比率はさほど大きくない。

 プロパガンダの要素が大きいのだろうが、特にフランスからの独立闘争、ベトナム戦争に関する情報は詳細だ。  ホーチミンの戦争博物館を彷彿とさせる。
 展示の最後には不発弾の処理に関する展示がある。  あまり知られていないことだが、ベトナム戦争の主戦場はラオスにもおよんでいて、 米軍による大量爆撃はベトナムをも凌ぐと言われている。  現在でも多くの不発弾が残り、未だに爆発事故が発生しているとのことである。

ワット・シーサケット 回廊の仏像  ランサン通りの南西端付近にある2つの寺院、ワット・シーサケットとワット・ホー・パケオにも行ってみる。  両寺院はセーターティラート通りを挟んで向かい合わせにあるので、まとめて見学するには便利である。
 ワット・シーサケットの回廊には多くの仏像が並んでおり、仏像好きには要チェックの場所なのだろう・・・

ワット・ホー・パケオ  ワット・ホー・パケットの本堂はかなり大きく立派であるのだが、 年季が入った感じのワット・シーサケットに比べて、ワット・ホー・パケオの建物は新しい感じがする。
 明らかにコンクリート造りの伝統建築に違和感を感じるのは、私だけではないだろう。
 日本のような大型の木造建築が少ないのは、気候風土にも関連しているのかも知れないが・・・

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タイスキを囲む女性  「箱物観光」は以上で完了だ。 タラート・サオで土産を買った後は、昨日と同じくメコン川沿いでまったりとした時間を過ごす。
 メコン川沿いの屋台はバラエティに富んでいる。 テーブル形式の屋台が多いのだが、中には屋台の周りにゴザの広げ、 土鍋料理を供するところもある。
 しゃぶしゃぶのような鍋(タイスキ?)を囲む女性から「一緒に食べない?」とお誘いを受けたが、ここは丁重に遠慮する・・・

ソムタム(青パパイヤのサラダ) 屋台のフルーツ  ソムタム(青パパイヤのサラダ)の屋台を発見。
 ソムタムに、ラオスやタイ北部独特の籐の器に入った餅米(屋台ではスティッキーライスと言えば通じる)と、ジャガイモのようなフルーツのシェイクをオーダーする。
 このフルーツは、干し柿のような濃厚な甘味がする。

遊覧船の内部 メコン川に浮かぶ遊覧船  メコン川沿いには何隻かの遊覧船が停泊している。 「Free Cruise」と書いてある船に乗り込み、1本8000キップのビアラオを頼んだ。

 30分経ち、2本目のビアラオも空いてしまうが、船は全く出発する雰囲気がない。
 「この船って泊まったままなん?」 ウエイターに尋ねると、彼はいくぶん申し訳なさげに「多分ね・・・」と。 

 インターネットカフェで小一時間を潰し、ヴィエンチャンで初めて入った店である、ナンプーコーヒーを再び訪れた。
 美人女将は私の顔を覚えてくれていた。 お別れの挨拶の後、最後となるであろうカフェラオを楽しむ。

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 ヴィエンチャン最後の活動は、パトゥーポーンゲストハウスに併設のマッサージ店にて、 昼間に約束した女性からマッサージを受ける。
なかなか巧い。 極楽、極楽・・・

うまい飯
うまいビール
うまいマンゴーシェイク
安くて快適な宿
幸せそうな子供たち
気持ちいいマッサージ

世間の評価が「何も無い町」だとしても、私にとってヴィエンチャンは魅力的な町だ・・・


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