中環・ビクトリアピーク

※デジカメ画像を紛失したので、写真はありません m(_ _)m

 「南北酒店」のインドネシア人女性とも今日でお別れである。 気のせいか彼女も名残惜しそうな・・・?  ネーザンロードを北上して、地下鉄の油麻地駅界隈で、最後の中華粥朝食を食す。 揚げパンが入っていてこれもいける。
 夜は香港にいたものの、この2日間はマカオ、深センと香港旅行なのに香港以外の場所を回っていた。  最後日の今日は時間が許す限り香港の観光地を回ろう。

 ネーザンロードを徒歩で南下する。 道路沿いには沢木耕太郎の「深夜特急」でお馴染みの重慶大厦(チョンキンマンション) がそびえ立っている。 他の雑居ビルとは異なり、インド系の人が多いのが特徴のようだ。

 20分も歩くと尖沙咀に到着した。 スターフェリーでのクルーズとも今日でお別れである。
 香港島の南側にある香港仔(アバディーン)という所に行ってみようと思う。 中環駅近くのビル1階にあるバスターミナルから、 香港仔行きのマイクロバスが出るらしい。 

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 マイクロバスは香港島の山中をグルグル回る。 途中に大きな大学のようなものもある。  香港の大学、特に経済学部は日本の大学よりもレベルが高いということを聞いたことがある。
 チンタラ走ってようやくマイクロバスは香港仔に到着した。 しかし、香港仔の名前は聞いたことはあれど、 一体何が有名であるのか分からない。 沢木耕太郎の「深夜特急」では、水上生活者のくだりがあったと記憶しているのだが、 あたりの町や海沿いを歩いてみが、妙に小奇麗に整備された海岸と公園のみがあるだけだ。  バス停近くの商店界隈も、九龍と何ら変りのない風景が広がっているのみである。 もはや長居は無用だ。

 帰りのバス内では眠っているうちに中環に到着した。 最後にもう一箇所見てみたい所があるのだ。  香港島の山の上、ビクトリアピークだ。
 中国銀行香港支店の中を抜け、北側のシティバンクも越えたあたりに、ビクトリアピークに上る登山鉄道である、 ピークトラムの乗り場があるらしい。 それらしい場所に来てみたものの、鉄道乗り場らしいものは見受けられない。
 窓が丸い特徴的なビルを見つけ、近づいてみると、このビルの1階がピークトラムの乗り場となっていた。  これではなかなか分からないはずだ・・・

 ビクトリアピークは映画「慕情」で有名らしい。 映画は観たことがないのだが、テーマ音楽は聞いたことがある。  確かに香港島の摩天楼を上空から見下ろすというのは絶景だ。 香港仔でのガッカリを取り戻した観がある。
 ここでゆっくりしていたいところであるが、帰りの便は15時。 そろそろ急がないと・・・

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 ピークトラムの駅からダッシュで空港鉄道(機場快線)の香港駅に辿り着くと、間一髪で乗り込んだ電車は直ぐに発車した。
 空港の到着プラットフォームは、そのまま航空会社のカウンターになっている。 何て計算しつくされた設計なのだろう。  日本航空のカウンターには、私の乗る大阪便の表示は既にない。 原時点で出発の5分前なのだから当然であるが・・・
 航空券を見せると、グランドホステスは「Run!」と。 「Now?」と聞くと、「Now!」との叱責が。  我ながら迷惑な客であるが、遅れてしまったものはしょうがない。 出国ゲートの列を抜かしまくって、搭乗ゲートに辿り着いた。

 搭乗ゲートにはまだ乗客が座っている。 表示を見ると1時間のDelayとのこと。 焦って損したというか、悪運が強いというか。
 これに味をしめて、さらにいい加減になっていく自分が怖いのではあるが・・・。

 パスポートを改めてみると、3日連続して香港に入国(入境)し、3日連続して香港から出国(出境)していることになる。  当初のテーマとしていた、沢木耕太郎の感受性を検証するというのは、いつの間にか何処かに行ってしまった訳だが、 私のこなした馬鹿馬鹿しい行程も、彼の表現によるところの「酔狂」に属するかも知れない。
 確実に言えることは、貧乏旅行ならではの高いコストパフォーマンスとなったということであろうか・・・。


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