クチトンネル&カオダイ寺バスツアー(9月19日)

シンカフェ  シンカフェ(Sinh cafe)はファングーラオ通り(フォングーラオ通り)とブイビエン通りの中間、デタム通り沿い にある有名なカフェである。カフェとはいっても日本で流行っているアジアンカフェを想像していると、ちょっと雰囲気が違う。
 元来カフェとは単なる飲食店というようりも情報交換の場であったというのは頷ける話だが、 ここではもう少し商売色を出して、ツーリストオフィスを兼ねているものが本当に多い。

 大小様々のカフェの中でも圧倒的顧客数を誇るのがシンカフェである。  中でも日本人客はほとんどシンカフェを利用すると言っても過言ではない。
 国営のサイゴンツーリストという旅行会社もあるが、あまり存在感を発揮していない。
 日帰りから2泊程度のバスツアーおよび、オープンバス(ドリーム号のようなもの)の運行が中心だが、 タクシークーポンや両替まで、おおよそ観光客のニーズをほとんど満たしてしまうところが頼もしい。  正直、お気軽観光旅行を目指す人にとっては、日本から高いオプショナルツアーに申し込むよりも、 シンカフェに体をゆだねてしまう方が遥かに頭を使わなくて良い気がした・・・
 日本でいうところの「カニ食べ放題日帰りバスツアー」みたいな感じの超お気軽ツアー利用派にはもって来いである。
 ご多分にもれず、この私も利用しない手はないということで・・・ とりあえずお試しという所で、 有名なクチトンネルから行くことに決定。クチトンネルツアーには半日と一日のコースがあり、 一日コースではカオダイ教という新興宗教の寺院を回るということ。時間の違いはあれ共にに4US$ということで、 平均的大阪人の私は当然コストパフォーマンスの高い一日ツアーを選択した。

サンドイッチ屋台 フランスパンサンド  チケットを購入後、出発までの時間がたっぷりあるということで、朝食を食べに出かけた。  今日の朝食はブイビエン通りとデタム通りの交差点にあるサンドイッチ屋台。  フランスパンの中に野菜とハムのようなものを入れて、醤油らしきものをかけるだけ・・・  これが激ウマ! フランスパン自体も日本で食べるものより軽くて、表面がカリっとしている。  わずか4,000VDだが、3食これでもエエなぁ〜なんて思ったりもした。

 バスは以外にも時間厳守で出発した。使用されているのは韓国ヒュンダイ製の大型バスであった。 「日本人だらけなのになんで韓国のバスに乗らなあかんねん」とは思ったが、こと経済進出に関しては 韓国の方がプレゼンスが大きいようであった。
 確かにベトナムでは日本音楽も女優のポスターも全くといってお目にかかれない。日本の経済進出は出遅れているといえば出遅れている。  が、他のアジア諸国のように日本人に対するイメージがコマーシャリズム先行でない分、  より深い関係が構築できるような気もする・・・

 ガイドはソンさん。南ベトナム政権下の旧サイゴンで生まれ育ったということで、訛りは強いものの、 堂々とした英語の喋りっぷりである。
 市街地を一旦出ると全く信号がない。舗装はさほど悪い訳ではないが、中央分離帯は消え気味なので、 所々ではチキンレース状態になる。さらに恐ろしい事に、猛スピードのバスは前方を行くスーパーカブを、 僅か1〜2メートルになるくらいまで接近して煽っている。家族を乗せたバイクの前に小石でもあれば 一家心中というところやなぁ〜とビビりまくる。

カオダイ寺外観 参拝するアオザイ軍団  何とか事故も無くカオダイ寺に到着する。何となく派手な感じの寺であるが、白いアオザイを着た女性、 白い作務衣風の衣装を着た男性が方々から集まってくる。ソンさんによるとカオダイ教は仏教や儒教、キリスト教等が融合した新興宗教で、 なんと聖者の中にはかのビクトル・ユゴーも含まれているとのこと。節操がない気もしないではないが・・・
カオダイ寺内観  ベトナムはれっきとした社会主義国なので、基本は無宗教らしいのだが、こういう宗教を大々的に観光資源として活用するのも、 ドイモイ政策の賜物かな、なんて勝手に思いを巡らしていると礼拝が始まった。
 寺院のセンターラインを中心にして男女が別れて座っている。スタッフが彼らの座り位置をしきりに直しているところから、 整列する事に価値を見出しているようにも感じられる。

 礼拝に関しては宗教の違いはあれど似たりよったり。正直来なくても良かったかななんて思いながら寺院を出ると、 何と脱いだはずの靴がない。誰かが取っていった OR 間違われたようであった。近くにいた僧侶は心配して一緒に探してくれた。 が、結局見つからずじまいに。
 すると彼は言った「私のサンダルを履いていってください」と。一瞬裸足でクチトンネルに行くことが頭をかすめた私にとって、 その声は天使の声にも等しかった。彼の優しさの前では靴が無くなってしまった事さえ、小さな出来事に感じられた。

トンネル内観 トンネルと兵士  午後からはいよいよクチトンネルへ。入場料5$を支払うと、まずホールのようなところに通され、過去のプロパガンダフィルムを見る。  ベトナム戦争は悲惨なイメージが大きいが、このフィルムはなかなか和気藹々とした雰囲気がしてやや不思議な感じがしなくもない。
戦車の残骸  その後、小さなトンネルに兵士が入るパフォーマンスや、戦車の残骸、実際のトンネル内の見学と確かに興味深くはあったが、 ガイドブックから想像できるものを超えたものは無かった。(期待しすぎるとがっかりするという意味)  最後に実弾射撃の体験(5発5$)があったが、参加者が全て日本人であったのが面白くはあった。

 ホーチミン帰着後、早速デタムの靴屋にサンダルを買いに行った。カオダイ時での出来事を女主人に語ると、 彼女はたいそう同情してくれ、「あなたのような人からお金を取るのは心が痛むわね。」ということで、 15$のサンダルを11$にしてくれたらしい。
 もっとも、元来11$の商品をもったいつけただけだったのかも知れないが、ここはベトナム人の親切心を信じよう。

COM  晩ごはんは「COM」にて。「COM」とは店頭に並んでいるおかずをチョイスし、ごはんと一緒に食べるという業態の店で、 京都でいうところの「おばんざい屋」といったところか。十数種類以上のお惣菜が選択でき、煮魚やオムレツ等、 見た目といい味付けといい、日本のお惣菜チックであった。 折角なのでベトナム初ビールと共に。
 ベトナムのビールは「タイガー」、「333」、「サイゴン」という3つの銘柄がメジャーなようであるが、値段は各銘柄でかなり開きがある。
「タイガー」は国際ブランド(シンガポール?)らしく最高級であるが、個人的には「サイゴン」がお好みであった。 「333」に関しては、私のワーストビールリストに入るかも知れない。

姉 妹  食事を終わってブイビエン通りを歩いていると、バイクに2人乗りの姉妹が目の前に停車した。
 彼女らは何かの屋台を開店するようであった。姉妹に引き込まれるように屋台に座った私の前に運ばれてきたのは、 まるで「尿瓶」のような代物。これぞ噂のヒアホイ(Bia Hoi)であった。
一応、工場直送生ビールといったら聞こえはいいが、町の醸造屋で作られる量り売りビールである。

BIA HOI  工場からポリタンクで仕入れたものを尿瓶のようなものに小分けして炭酸もホップもアルコールも弱いので水のようにグビグビいける。 値段は瓶ビールの半額以下なのでまさに庶民のビアガーデンといった感じ。日本人としてやや難があるのは、 冷えてないビールに氷を入れて飲むというスタイルである。 「ホッピー」を飲んだことがある人にとっては違和感は無いと思われるが・・・
 丁度よいタイミングでおつまみを担いだおばちゃんが通りがかる。殻付きピーナッツと生ビールでぼんやりバイクの流れを眺めるのも一興であった。


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