ルアンパバーンへ目が覚めると、もうボーディングが始まっている。 タイは航空会社の競争が激しいところで、タイ航空やバンコクエアウェイズのような大手の他に、
格安航空会社と呼ばれる新規参入会社が複数存在する。
鳥のペインティングの個性的機体とは対照的に、機内はタイ航空そのものであった。 格安航空の特徴としてミール、ドリンクは有料である。
ウドンタニ空港を出ると、リムジンバスのチケットカウンターが並んでおり、ここでラオスとの国境の町であるノーンカイまでの
チケット(100バーツ)を購入する。(リムジンバスとは言っても、ただのワゴン車なのだが・・・)
出国審査の後、タイ・ラオス国境の橋であるフレンドシップブリッジ(友好橋)を渡るマイクロバス(10バーツ)に搭乗する。
ラオス人の買出しツアー客だろうか、バスの中は荷物で溢れ返っている。
ラオス側イミグレーションでは、まずアライバルビザを申請する必要がある。 本来は30ドルなのだが、土日祝および夜間には時間外手数料として
1ドルを請求される。 20分くらいでビザが発行され、入国審査に移る。
この時点で午前9時前である。ルアンパバーン行きの便に搭乗するためには、後1時間でヴィエンチャンの空港に着かなければならない。
少し焦った私は、とまっていたリムジンバスに乗り込んだ。 他のリムジンバスが客待ちしているにも関わらず、
このリムジンは私一人を乗せただけですぐに発車した。 あれ? そう言えばどさくさ紛れに15ドルも払ってしまったぞ。 冷静に考えてみると謎は解けた、このリムジンは最大8人で15ドルをシェアする乗り合いリムジンであるのだが、
空港に急ぐと言い張る私のために1台貸切にされてしまったのだ・・・
どうせならタクシーにしとけば、もう少しは安かったはずなのだが、今更しょうがない。ボラれたという訳でも無さそうだし、まあいっか。
ヴィエンチャン市内を横目で見ながら、午前10時前にはヴィエンチャンの国際空港である、ワッタイ空港に到着した。
中央には立派なターミナルがあるが、これは国際線ターミナルであり、隣の古ぼけた建物がこれから利用する国内線ターミナルだ。 しかし、なかなか飛行機は来ない。 これか? 待合室の客の数にしてはえらく機体が小さいような・・・ これか? どうやら、これで正しいようだ。
結局2時間の遅発となってしまった。 2時間前に空港に来たわけだから、4時間を待合室で過ごしたことになる。
客室乗務員がめちゃくちゃ可愛い! まずはパチリと・・・
1時間弱のフライトで無事にルアンパバーン(Luang Phabang, Luang Pabang)に到着した。
ルアンプラバン(Luang Phrabang、Luang Prabang)と呼ばれることもあるが、どちらの発音が正しいのかは良くは分らない。
宿の情報を事前にネットで調べたら、コールドリバーゲストハウス(Cold River Guesthouse)という宿が日本人宿として人気が高いようだ。
特に他に情報もないのでこの宿を訪ねてみる。
コールドリバーゲストハウスは、メコン川支流のカーン川沿いに建つ小さな宿である。 メコン川沿いに宿が集中しているのに比べて、この宿の周辺は非常に静かだ。 シャワーで汗し、早速町に繰り出してみる。 ルアンパバーンに関する情報は極めて少ないため、
藤井寺市立図書館より借りてきた「○○の歩き方」の地図を頼りにカーン川に沿って散歩してみる。 この「○○の歩き方」は情報は古いわ、間違っているわで、
個人旅行者からは評判が悪いのだが、ことマイナーな国の地図が必要な場合に限っては結構重宝する。
カーン川には多数のドラゴンボートが浮かんでいる。 どうやら今日はドラゴンボートレースのお祭りのようだ。
町中には子供が溢れ、楽しそうに露店を冷やかしている。 アジアの観光地というと子供の物売りを連想するのだが、
ここルアンパバーンの子供たちは、我々外国人観光客なんて眼中にない感じだ。 「眼中に無い」というのは商売の対象としていないという意味で、もちろん愛想が悪いということではない。 むしろ老若男女を問わず、目線が合うと自然な微笑みが帰ってくる。 ベトナム人の微笑みには多分に計算がありそうだが、ラオス人の微笑みには、 心よりのホスピタリティーを感じてしまう。 タイ人は彫りが深く、ベトナム人はのっぺりしている感があるが、両国の中間に位置するラオス人の風貌は、日本人に非常に似ている。 なんとなく日本の地方都市を訪れたような、不思議な親近感を感じる。****************************** ルアンパバーン(Luang Prabang)はルアンプラバンとも呼ばれる、ラオスの古都である。 第二次大戦後くらいまでは実際に国王が住んでいたらしいが、
社会主義政権化では当然のごとく国王は地位を剥奪されたらしい。 ただし、開放政策の中で、ラオス政府は王宮の名残を観光資源として活用しているのが、何とも皮肉な話だ。
市内の銀行で両替をしてみる。 ラオスの通貨はキップという単位で1ドルが1万キップの固定レートである。 ベトナムで1ドルが1万5千ドンと等価に使えるのと似ている。
当然ながらドルが普通に流通しており、端数のお釣りをキップでくれる。 タイバーツも利用可能なので、3種類の通貨が入れ乱れて流通しているのだ。 食堂でラオス北部名物のカオソーイという麺を注文してみる。 米の平打ち麺に赤いスープ、挽肉のトッピングと、見た目は坦々麺に似ているのだが、 こちらはトマトベースの酸味のあるスープだ。 おいしい!
ルアンパバーンの中心はメコン川とカーン川に囲まれた狭い地域であり、その中央部にはプーシーと呼ばれる小高い山がそびえている。
山頂にある黄金のバゴダは夜間ライトアップされるので、この町のランドマークとなっている。 この山頂から見る夕日は絶景とのことで、多くの西洋人観光客が集まっていた。 とは言っても、マイナーな観光地、ルアンパバーンのこと、 芋の子洗い状態でうんざりするというレベルではない。 幸い天気に恵まれ、美しい夕日であった。
まだまだ満腹には至らないので、違う種類の麺を食べることにした。 「○○の歩き方」によると、ナンプ(噴水)広場近くに、
カオピヤックという麺で有名な店があるらしい。 |
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