スターフェリーで香港島へ

※デジカメ画像を紛失したので、写真はありません m(_ _)m

 南北酒店でTシャツとショートパンツに着替えた私は、早速町に繰り出すことにした。 考えてみれば、この宿は扉についている カメラで顔を確認してから、宿の鍵をあけるシステムであるため、盗難という意味においては安全かも知れない。
 宿探しを手間取っているうちに、既に4時を回ってしまっている。

 佐敦から地下鉄に乗り一駅行ったところが、九龍半島の突端、尖沙咀(Tsim Sha Tsui) となる。 海沿いに博物館やコンサートホール、プラネタリウムのようなものが並んでいる。
   辺りにはDFSや大型ショッピングモールが集中し、かのプラネット・ハリウッドも出店していて、 明らかに観光客向けの街である。
 HMVに入ってみたが、店の雰囲気、店員のコスチューム共に日本の店と同じ。売れ筋の欧米物CDの価格は、 日本と比較して同じくらいか、むしろ、こちらの方が高いくらいである。 日本にはない、VCD(ビデオCD)コーナーでは 3枚100HK$(1枚500円くらい)だったので、ややお買い得か・・・
 やはり、日本のHMVとの最大の違いはエッチ系のVCD、DVDが並んでいること。 記念に1枚と思ったが、、 レジ係が女性であったため、断念・・・

 スターバックスに入ってみる。 ややフードメニューに違いはあるが、商品の受け渡しの方法や、 インテリアは万国共通である。 価格は300円〜500円くらいと、日本に比べ若干高い感じである。
 香港での最初の飲食がスタバとは、折角の旅行も味気ないのであるが、昼ごはん代わりに、 「モカフラペチーノ・トールサイズ・ウィズホイップ」を注文し、海沿いを西側に歩いてみる。
 2百メートルも歩くと、大勢の観光客とバスの群れが登場する。 ここが、かの「スターフェリー」の九龍側の乗船場なのだ。

 こだわっているようだが、沢木耕太郎の「深夜特急」におけるスターフェリーの記述は、印象に残るものであった。  とにもかくにも、安価な観光名所は是非とも押さえておかねばなるまい。
 回転式の改札口に1.7HK$の表示があるが、1HK$よりも細かい単位の硬貨なんて持っている訳もない。  原則として改札機に小銭を入れて通るのだが、有人の改札に2HK$を出してみる。 しかし、釣銭は用意してないようだ。

 無理やり、「Keep the Change.」と言わされている気がしないでもないが、なんとか乗船することができた。 いざ船室に。

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 念願のスターフェリーではあったが、「深夜特急」の記述から私が想像していたものと若干異なった。
確かに、風情のある船室ではあるのだが、オープンデッキのフェリーを想像していた私にとって、船室の小さな窓からの風景は、 結構見づらい。  仮に2Fの1等(2.1HK$)に乗ったとしても、景色に関しては2等となんら変らないようである。
 おまけに、夕闇迫る香港島の夜景は、さぞ絶景と思っていたが、水面にもやが立ち込めており、全体的にボヤっとした感じ。  まぁ、1.7HK$で贅沢言ったらバチが当たるのであるが・・・

 香港島側のフェリー乗り場は、先程の中環駅に近い。 世界有数の金融機関であるHSBC(香港上海銀行)と、 まるで刀のような中国銀行香港支店が競い合うようにして建っている。
 ご存知の人も多いだろうが、香港には日本銀行のような中央銀行が存在しない。 HK$は何と普通銀行が発行するのだ。  HK$札を良く見ると、HSBC発行のものと、中国銀行発行のものが混在しているのである。

 九龍半島になく、香港島だけに存在するの乗り物として、2階建チンチン電車が有名である。  路線や行き先が分からないので、何も考えずに「ハッピーバレー」行きの電車に飛び乗った。(もちろん2階で)
 ネオン揺らめく中を突き進むチンチン電車って、TVにも良く出てくるシーンではあるが、ようやく香港に来たという実感が沸いてくる。
 終点で小銭が無かった私を見て、運転手は運賃をタダにしてくれた。

 終点のハッピーバレーは競馬場で有名であるが、しかし、この閑散とした雰囲気は・・・  守衛さんに尋ねると、競馬開催の主体は郊外の競馬場に移っており、ここでは、あまり競馬は開催されないらしい。
 実は、今まで日本でも競馬ってやった事が無かったので、海外で初競馬を目論んだのだが、見事に撃沈。
 しかし、競馬場と聞いて、難波や梅田の場外馬券売り場を連想し、いかつい町並みを想像していたのだが、予想に反して、 ハッピーバレー競馬場周辺はとってもハイソでお洒落な雰囲気に包まれておりました。  チンチン電車の停留所前には、高級レストランやお洒落なバーが軒を連ね、日本で言うところのクリエイター系の人間が闊歩している。  また競馬場の南側を取り囲むようにして、高級家具の店が集中しております。(大阪でいうと南船場の雰囲気か)

 昼からスタバした口にしていない腹が悲鳴を上げてきた。  通りがかりのインド人に格安ご飯スポットを聞いてみると、「コーズウェイベイに行った方がいいよ」とのこと。
 ハッピーバレーからの道を海側に折れると、賑やかな通りが・・・  表示を見ると「パーシバル・ストリート」とのこと。幸運な事に、安食堂らしきものが、何軒か並んでいる。  中でもラーメンのようなものを売る食堂が気になり、入ってみる。

 店の名前は「南記粉麺」。 どうやらチェーン店らしい。  当然メニューは漢字だらけであるが、「雲南小鍋米線」というものに興味をそそられた。 日本語にするとさしずめ、 「雲南風汁ビーフン」って感じでだろうか。
 出てきたものは、想像通り、太めのビーフンの汁そば仕立てで、牛肉と野菜がたっぷりトッピングされていた。  スープは酸味とピリ辛で、トムヤムクン的な感じ。これであれば、まあまあ及第点といえる。

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 お腹の方だけは満足した私は、海側に歩を進めた。  「日本とそんなに変わらないな」ってのが率直な印象である。 店員や話し掛けた人は、私が広東語を理解でき ないのを怪訝そうな顔で見ている・・・ 待ち行く人の服装や顔立ちも日本となんら変わらない。  むしろ人込みの中から日本人を見つけ出す事の方がかなり難しいことだと思いわれる。
 しばらくすると、非常に賑やかな町並みに辿り着いた。 なんと「そごう」があるではないか、大阪店は潰れたというのに・・・ 漢字の標記は「崇光」と書いてあり、見たところ結構お客さんが入っているみたいである。
う〜む、所変れば・・・ しかし、中に入ってみると品揃えは日本同様イマイチかな・・・

 地下鉄の駅を見ると「コーズウェイ・ベイ」の名が、インド人の指示とおりうまく辿り着けたようだ。  そごうの別館には大量のキティちゃんが存在するエリアがあり、店名はなんと「ハローキティカフェ」とな。  アジアにおけるキティちゃんの威光恐るべし。
 デパートの中や町中には、結構、日本風居酒屋がはびこっているようで、店頭のメニュー写真には必ず「イカの丸焼き」が 登場しているみたいである。 香港人にとっては、これが典型的な日本の居酒屋メニューなのだろうか?
 回転寿司も多かったが、こちらは完全に香港社会に定着している様子である。  と、長蛇の列が、なんとそこにはかの「味千ラーメン」があるではないか。
 「味千ラーメン」は熊本の有名なラーメンチェーンで、大阪の羽曳野線にある店を、私は日頃から贔屓にしているのだ。   しかし、メニューを見ると「本場北海道・・・」と、オイオイ。  「味千ラーメン」は私が見かけただけでも3店舗あり、全て大繁盛であった。

 町中で目についたもう一つの業態が「優の良品」という駄菓子屋のチェーン店だ。 香港人にひらがなの「の」は 解読できないとは思われるが、明らかに日本を意識したものであろう。
 この「優の良品」、繁華街や地下鉄の構内には必ずといって良い程出店していて、かなり目立っている。  大袋に入った、飴やドライフルーツ、ナッツなどを売っていて、「お菓子のカネシゲ」と「キオスク」を足したような感じ。

 しかし、日本ってのは「お菓子大国」なんだなとつくづく思い知らされる。 コンビニに行っても、日本のお菓子は メチャメチャ幅を利かせている。  ムースポッキーやフランが、そのままのパッケージで並んでいるのため、コンビニのお菓子コーナーは日本そのままと言っても 過言ではない。
 反対に、日本のビールは香港では大苦戦みたいである。 コンビニの冷蔵庫にはビールが十数種類も並んでいるのに、 日本のビールはあまり見かけない。(台湾では日本のビールが市場を席巻していたのとは対照的だ。)
 日本ではビールや発泡酒の価格は横一線てイメージがあるが、カールスバーグやハイネケン、青島ビールやギネスが、 価格帯バラバラに売られている。

 ホテルに帰り付くともう12時を回っている、近所(ネーザンロード沿い、ジョーダンロードのやや南)のジュース屋で、 マンゴの生ジュースを飲んだがこれがメチャ旨い!!


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